写真資料:MBP IV B Politeknik Negeri Bali
外国人講師としてキャンパスでセミナー開催という機会をいただきました。
大学でバリ関連といえば、ワークショップでの冷や汗体験があるのですが、今回は冷や汗含め、脂汗とか、寝汗(?)とか、いろいろ吹き出しそうな依頼でした。
「インドネシア語で一時間半の講演」です。
あの時の失敗は日本語だったのに、今度は外国語かいっ!あわわわわ。
断ろうかなぁと思ったけれど、もう一人の講師がマリオ・ブランコさんと言う話。バリ島のダリと言われた故アントニオ・ブランコ氏の御子息です。
そんな立派なセミナーに、ワタクシも?!
緊張で冷や汗がドーッと出て、カラカラになってミイラ化の恐れがあるとしても、これは依頼を受けるべきでしょうっ!!
私の講演のテーマは「Never Stop Learning to Love Bali」だそうで、
自分がバリ島で行ってきた活動について語ってね!と指示がありました。
バリ料理もお供え物作りも上手じゃないしぃ、、、テーマ「バリ芸能」しか無いんですが?
一時間半で、活動のみでなく、自分の生涯を語ったり、考え方を語ったり、成果物の発表も可能という記載があり
あの・・・自分の創った舞踊団の生徒を、活動の「成果」として持参するのアリですか?と打診してみました。
もちろんOK!
楽器が必要なら、大学にワンセットあります。とのお答え。
やった~!!!
シャベリのみは難しいから、バリ芸能も混ぜて、なんとか時間を埋めてごまかさないと・・・うふふ。
という事で、セミナー開催までの2ヶ月、生徒にも頑張って踊りと演奏の練習をお願いしました。
しかし原稿がね、、、一ヶ月前を切っても何も書けないんです。
書こうとすると、部屋の掃除始めたり、料理始めたり、、、現実からの逃避ですね。
それでも何とか準備して、セミナーを行いました。
残念ながら、予定の講師ブランコ氏は海外で個展が入ってしまったそうで、
代役にCNNの「ヒーロー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した事もある
ロビン・リムさんが来られました。
時間帯が違うので、私は顔を合わせることはありませんでしたが、この方は1990年代からバリで助産育成を行ってきた偉い方です。
きっと、流暢なインドネシア語で素晴らしい内容を語られた事でしょう。
その後のセミナーが、多分、子供が話しているようなレベルの文法で作った原稿を噛みながら話す私。。。。。
緊張!緊張!緊張~!で開始しました。
ミス・キャンパス(右端)は去年一緒に定期公演で踊ってた子だった。
私と同じ身長なのに、遠近感おかしいぞ…ハイヒール?壇上?
写真資料:MBP IV B Politeknik Negeri Bali
参加者は、私が外国人というのが判っているので、あらかじめ腹をくくって足を運んでくれたのか、心配した途中退場者はありませんでしたが、
母国語ではない言葉でセミナーを行うというのは、当たり前ですが、とてもとてもとても大変な事でした。
準備していた内容の半分も話せませんでしたが、
バリ古典芸能への熱い想いや、文化や宗教に対する考えは伝わったと思います。
一番頑張ったのは、私の生徒達と旦那様ですけどね。。。
セミナーの中で、
「私の創設した舞踊団も5年目になり、有難い事に活動も大きくなってきた。
しかし、生徒に対して振り付けや理論をメインにした芸能を教える事は少しずつ成功しているものの、
自分が外国人であるが故に、生徒に『TAKSU』と呼ばれる、バリ芸能にとって一番大切なものを伝えるのが非常に難しく、苦戦して、それが原因で、時々何の為に教えているのか悩むことがある。」と話しました。
(「TAKSU=タクス」は、翻訳するのが難しい言葉なのですが、日本語の「魂」に近い意味だと思ってください。)
セミナー後のセッションで、聴衆者席に座っていた教授が挙手をされ、こう発言されました。
「悩む必要は全く無い。既にバリのTAKSUは伝わっている。自分は先ほどチョンドンを踊る生徒の姿を見て泣きそうになった」
この言葉に非常に勇気付けられ、これからもバリ舞踊を続けていく自信がつきました。
今回は、貴重な機会を頂き、ありがとうございました!!!