グンデル奏者のロチェン氏がお亡くなりになりました。
バリにいる友達からのメールで知りました。
もう数年前になりますが、当時バパ・ロチェンにグンデルを習っていたKさんに連れられ、御自宅をお邪魔したのが最初の出合いでした。あら、可愛い爺ちゃんだ。という第一印象でした。
Kさんの練習が休憩に入ると、いきなり私をグンデルの前に座らせ「弾けー!弾いてみろやー!」と、パングルを握らせ、リンドゥンという曲を繰り返し繰り返し教えてくれました。(その時ガムランはガンサしか習ったことなかったので、出来ないよ~!と半泣きになりましたが、ロチェン氏のお宅にお邪魔すると、みなさん、この洗礼を受けるらしいです)
その後、踊りの方に走ってしまった私は、ロチェン氏にグンデルを習うまでには至りませんでしたが、ライナン(自宅寺院祭)に呼んでいただいたり、御自宅のウパチャラで踊らせていただく機会に恵まれたり、何度か御付き合いをさせていただきました。
一度会うと、必ずロチェン・マジックにかかると言っても過言でないくらい、魅力的な人で、多くの人々に慕われる人柄であったロチェン氏。私もファンのひとりでした。
その葬儀は、バリ人はもちろんのこと、日本、アメリカ、ヨーロッパと世界中から生徒さんが集まってきて、最後の御見送りをされたそうです。ファンの私が訃報を聞いてショックだったのだから、もっと親密な関係を築き上げていた生徒さん達は、とてもとても悲しかっただろうと思います。
今ごろは、天国でもグンデルを奏でておられることでしょう。そして、バリ・ヒンドゥー教の輪廻に従って、またロチェン家のメンバーの誰かとして、生まれ変わってくるための準備を天国でされていると思います。
御冥福をお祈りいたします。
※タイトルは、10月22日のバリの新聞「Bali Post」から引用。
【ただいま日本帰国中】