ものすごく久しぶりに、レゴン・ラッサムのチョンドン役を踊りました。
ちょうど村の子供達に教えている所なので、チョンドンは頻繁に踊っていたのですが、衣装を着て舞台でチョンドン役を踊るなんて、何年ぶりでしょうか…
久々のチョンドン役!赤い衣装が嬉しくてニコニコ。
というか、実際はレゴン・ラッサムのランケサリ姫の役で呼ばれて行ったんですが、パートナーと、あまりにも縮尺が違うために、チョンドン役にまわされたんです。
パートナー予定だったのは、私のレゴン舞踊の先生の先生の孫・・・ややこしいでしょ。
私の先生は、レゴン舞踊専門の踊り手でプトゥ先生と言い、その先生が習ったのが、サン・アユ・ムクランさん(Sang Ayu Ketut Muklen)と言う、これまた、レゴンしか教えない御婆ちゃん。
そのサンアユさんの孫と踊るように言われました。 が、先に書いた通り、体型が違いすぎ…
踊り手として選ぶ時に、まずガタイの違いに気を使いそうなもんですが、細い頃の私のイメージが楽団に残ってたんでしょうかね…横に並ばせて「あ」と思ったらしい。
針のように細い女子高生とコンビを組むのは、無理がありすぎるので、ランケサリ姫とチョンドン役とが交代する事になりました。
女子高生レゴン&おばチョン
上の写真の私はレゴン役の20cmほど後方に立ってるんですが、なんか、手前に居るような錯覚を起こさせますよね?! 遠近感がわからなくなるなんて、イリュージョン・ボディだわぁ、私。
いや~、この公演を見た観客は、何故か判らないけど、不思議な空間が目の前に広がって、エッシャーのだまし絵のような世界へ引きずり込まれたような感覚で、頭が次第にボ~ッ!としてきて、きっと夢でも見ているような幻想的なレゴン・ダンス鑑賞が出来たんではないでしょうか。ふふ。
がんばれ~!わたし~!若いもんには、負けんばい!!!
この楽団のレゴン舞踊には、このアクロバティックなエビ反りがあります。ほとんど使わない動きなので、偶然、子供達に教えていなかったら、骨とか関節とか大変なことになっていたでしょうが、いや、幸いなことに切り抜けられました。
俺様が引っ込み、清楚感が漂いはじめるレゴン
長いバージョンのレゴンは次の出番まで舞台裏で10分弱休憩でき、おばチョンでも体力の復活が可能だ。
ふだん、子供達に教える時には
「おら~゛、低姿勢で走れ~!」とか
「頬笑みながら、尻を大きく振れ~!」とか無理な注文をしてるんですが、
自分が いざ その踊りを本番で踊ってみると、いやはや、きっついわ~。
いつも怒鳴りつけてごめんね、みんな。
一本足で立つガルーダ・シーンは激しいので辛い。
スタミナ・ドリンク飲んで、ドーピングしとけば良かったと後悔する瞬間。
そして生徒たちに教えていたお陰で、助かった事、もうひとつ。
この楽団の演奏で踊る時は、いつも終わってから、演奏者に「さっき扇子を前に出し忘れた」などの指摘をされるのです。演奏者が踊りを暗記しているという、なかなか手ごわい楽団なのですが、珍しく(?)振り付けの間違いがなかった模様で、チョンドンを踊り終わったら親指立てられました。バグースの意味です。
間違えなかったのは、実際に踊っている時に、頭の中で「右!左!」って言う自分の声が聞こえて来たからなんです。
なかなか振りを覚えてくれない可愛らしい生徒達のために、いつも叫びながら動いているので、曲と振りつけ指示が脳に叩きこまれているようで、「あ?」と踊りを忘れた瞬間でも
「ソゴッ・キリ~!!!」と、私の中で私が叫んで、勝手に体が左倒ししていた・・・
やっぱ、あれですね、繰り返しの練習って本当に大切ですよね。
そして確実にインプットされる…昔考えてた例の洗脳DVDの製造を真剣に検討しようかしら。