Legong Mintaraga
レゴン・ミンタラガ
プリアタン・スタイルの新しいレゴン舞踊
創作:アユ・ブラントリシュナ・ジェランティック & ニ・マデ・スアルティニ
2007年8月29日(木)にプリアタン王宮に於いて初公演
著者:カデッ・フェリー © f-studio
この舞踊は、6人の踊り手によって、プリアタンのスタイルを使って踊られた創作レゴンです。
ムングナン・サン・グル(アナック・アグン・グデ・マンダラとグスティ・ニアン・センゴグの思い出)というイベントにおいて、2007年に初めて発表されました。
このイベントの中では、恩師への称賛や敬愛の意味を込めて、弟子たちが教わった古典曲や古典舞踊を上演するとともに、
いくつかの新しい作品も、この2名の「師」に捧げる演目として、その生徒たちによって、披露されました。
その中のひとつが、ニアン・センゴッグの生徒であったアユ・ブラントリシュナ・ジェランティックが、ニ・マデ・スアルティニと共同で制作した、このレゴン・ミンタラガです。
音楽は、イ・ワヤン・ダルヨ氏によってアレンジされ、グンタ・ブアナ・サリ楽団(Genta Bhuana Sari)によって、演奏されました。
解説によると、このレゴン舞踊の物語は、エンプ・カンワによるアルジュナ・ウィワハという13世紀の作品をもとにしてあるそうです。
Legong Mintaraga
影絵のストーリー(プワヤンガン)では、アルジュナの瞑想中の姿は、ブガワン・チプタニンやブガワン・ミンタラガという呼び方にされることがあります。
瞑想中に、アルジュナが、デウィ・スプラバの指示で天国から降りてきた天女達の集団によって、誘惑されますが、それにも動揺せず、アルジュナは瞑想を続けます。
しかし、巨大なイノシシ(神の使い)の襲撃を受けて、瞑想から覚めて、戦い、後にアルジュナと兄弟(パンダワ)を助ける事になる「パスパティ」という武器を手にします。
という物語で、この作品では、良い指導者になるには煩悩に打ち勝つ勇気が必要だという教えを示しています。
伝統的なプリアタン・スタイルの動きが要所に濃く入ったレゴン舞踊としてはもちろん、伝統を大切にしつつも、その中で新しい振り付けを創作して各所に散りばめるなどして、この作品は完成されたものとなっています。
私 f は、この舞踊の演奏にグループのメンバーとして参加できたことを感謝しています。
独特の振り付けにあわせて、彼女と練習しながらアレンジされた楽曲は、完成して奏でてみると、美しいガムラン曲になりました。
彼女の語ってくれたところによれば、この舞踊の中のいくつかの部分で、コリン・マックフィーの作曲した「ノクターン」の中から、タブータブハンという曲の小節を使ってみる事も試みたそうです。
作曲家と振付家が、お互いをサポートしながら創り上げた美しい舞踊作品。
それが、この傑作「レゴン・ミンタ・ラガ」です。
with Bulantrisna Djelantik
Author : kadek ferry © f-studio
Photo Doc : Panitia Mengenang Sang Guru
Photographer : mayumi inouye