グヌン・ジャティ楽団 ガムラン・スマル・プグリンガン タガス・カンギナン地区
今回、kadek ferry ( f ) は、とても意義のある公演に参加する機会を得た。
ティルタ・サリ楽団のガムラン演奏者として、
タガス・カンギナン地区の グヌン・ジャティ楽団とのムバルンを行ったのだ。
ムバルンとは、二つの楽団が一つの舞台上で交互に演奏を行って腕を競う形態の公演である。
両楽団は、プリアタン村のスマル・プグリンガン楽器を奏でる楽団として1930年代から現在までの黄金の歴史を持っている。
ティルタ・サリ楽団 ガムラン・スマル・プグリンガン プリアタン村
「プリアタン・レゴンのスピリット(The Spirit of Peliatan Legong)」と題されたこの公演
ティルタ・サリ楽団とグヌン・ジャティ楽団が交互に演奏するガムラン・スマル・プグリンガンの音色に合わせて、1970年代に活躍したプリアタンのレゴン舞踊家と、現在現役で舞台で踊る舞踊家、
そしてこれからプリアタンのレゴンを担っていく小さな舞踊家によって踊りが披露された。
グヌン・ジャティ楽団のルバブ奏者 イ・ワヤン・スダルタ氏
グヌン・ジャティ楽団のガムラン演奏が始まった途端、ああ!
その場に居た観客達は、魅了された。
素晴らしい音だった・・・
この古い楽器は、長い歴史を持ち、1930年代からタガス・カンギナン地区のグヌン・ジャティ楽団に演奏されている。
「A House in Bali」という、コリン・マックフィー氏の書籍にも、その美しい音色について詳しく述べられている。
ティルタ・サリ楽団のルバブ奏者 クトゥット・マドラ氏
若手による レゴン・スマランダナ舞踊(演奏ティルタ・サリ楽団)
「プリアタン・レゴンのスピリット(The Spirit of Peliatan Legong)」が開催された夜、
その幕を明けたのはグヌン・ジャティ楽団による古典楽曲「ソロ」であった。
ティルタ・サリ楽団の演奏する古典楽曲「ガンバン・クタ」が、それに続いた。
イ・ワヤン・ロットリン氏が作曲した有名な曲である。
その後、レゴン舞踊へと舞台は続いた。
45分もの長さに渡る、レゴン・ラッサム舞踊 完全版(演奏ティルタ・サリ楽団)
レゴン・プラヨン舞踊(演奏グヌン・ジャティ楽団)
レゴン・スマランダナ舞踊(演奏ティルタ・サリ楽団)
少女による レゴン・ラッサム舞踊 完全版(演奏ティルタ・サリ楽団)
この夜会場にいた観客と招待客は、これらバリ古典芸能が伝承されている事実を高く評価した。
外国からのゲストのみでなく、レゴンを愛するマエストロのグルー・スカルノ・プトラ氏もひっそりと客席に座っていた。
グルー氏は、ティルタ・サリ楽団の故アナック・アグン・マンデラ氏や、グヌン・ジャティ楽団の故イ・マデ・グリンデム氏などと関わりを持ち、これらの楽団とは非常に深い縁を持つ人でもある。
1970年代現役だった踊り手による レゴン・プラヨン舞踊(演奏グヌン・ジャティ楽団)
踊り手とオカ・ダレム氏、グルー・スカルノ・プトラ氏
私 f は、「感銘した」という言葉以外、何も浮かんでこなかった。
巨匠達の作った作品、マエストロによる演奏と舞踊、そして、これからのプリアタン村のレゴン舞踊を担っていくという大きな責任を持った小さな踊り手達。
Matur Suksma! Terima Kasih!
その他、思い出のシーンをいくつか・・・
左:ガムラン演奏とともに、公演の進行役も勤めた f
右:グン・アジ氏とニョマン・マルダ氏 両楽団が控える演奏前の舞台裏
f とティルタ・サリ楽団で太鼓を演奏したイ・ワヤン・ダルヨ氏