殿っっ!ご乱心召されたかっ!

Topeng Dalemmm...

バリ舞踊ルジャンを奉納してきました
喰い物が踊りより重要!と指導しておりますもので・・・

あるお坊さんの家で、ムチャルーという御清めの儀式があり
生徒を引率して、舞踊の奉納へ行ってきました。

奉納するのは、ルジャン舞踊。
お供え物の性格も持つこの舞踊、
踊る前には毎回、踊り子自身を清める儀式まで行われる神聖な舞踊です。

バリ舞踊ルジャンを奉納してきました
石灰, 煙, 生卵, 刻んだ葉, 豚の脂身とか、次々と体に触れ清められます。
指突っ込まされてる中央の赤いの、生血ですぜ・・・。
血の付いた手で踊る生け贄のルジャン!

今回はお供え物に相応しい、幼い子ばかり。
全員お化粧が自分で出来ないので、私は早朝から一人奮闘となりました。

早起きは苦手で超テンション低いモードなのに、バリ人の見知らぬおばはんが、
「あら、インドネシア語上手ねぇ!」
「これ、どこで買ったの?いくら?」
とか、ずーっっっっっと話しかけてくる中でのお化粧。

ちびっ子は、動きやがるし、、、
いえ、活発に御活動されるので、アイシャドウの位置がずれるわ
はたまた、御友人との過度な御交流(けんか)で涙を御流しになり
アイライナーが溶けないよう、必死になだめるわ
集中力を維持するのが大変で、着付けが終わった頃には、ぐったり。

ルジャン奉納が二度に分けて行われる他に、
闘鶏や、屋敷内をグルグル回る儀式「ンギリン」などもあり、
さらに、あ~今日は特に暑い・・・テントの下に座っても、髪の分け目が日焼けするくらい暑い。
普通の家の儀式より、いろいろあって、時間が過ぎるのを長く感じていたのですが・・・

バリ島の闘鶏の様子
バリ島の闘鶏は、本来は賭け事でなく、こうやって生き血を捧げる役割。
血まみれの鶏も怖いが、後ろの生首像も、なかなか。

トペン・ダレム、別名トペン・アルサウィジャヤという、殿様の(まぁ、そんな感じ)仮面舞踊の途中で
楽団のおっさん達が爆笑しはじめたんです。

え~?
お笑い役の仮面が出ても、いつもはクールに演奏して、そんな笑わないぢゃん???っていうワタクシが秘かに憧れるおぢさま演奏家も、珍しく顔がほころんでる。

あ゛~っ!
こりゃ、いかんっ!

ワタクシも、釣られて笑ってしまいました。
下手なお笑い役の仮面より、だんぜん面白く見える。。。すみません。

バリ島の面白い仮面
そち、苦しゅうない、ちこう寄れ
バリ島の変わった仮面
なにゆえ楽団の者らは、笑うておるのぢゃ?
バリ島の貴重な仮面
のう! 教えてたもれ!

眉毛をつけてた接着剤がはがれたんでしょうか、、、、
見事な困りっぷりになっています。

数多い仮面の中でも、この仮面のキャラクターは『高貴』で、『威厳があって』、『やんごとなき感じ』で通ってるのでありまして・・・。
お陰で、朝からの疲れもふっとびました。

それにしても、眉毛の位置って、すごく重要なんだなぁ!
数ミリ上下するだけでイメージがガクンと変わる・・・いや、殿様は斜め過ぎですけどね。

これから、バリ舞踊の化粧の時は、眉毛の描き方をもっと練習しようと思います。

ちなみに、かっこいい時のトペン・ダレムの顔→ワリ舞踊トペン・ダレム