プリアタン村は、1920年代からレゴン舞踊が有名ですが、
その中の一つに「レゴン・スマランダナ」舞踊があります。
あまり頻繁に踊られる舞踊ではありませんが、
レゴン・スマランダナは、今でもプリアタン村に伝えられています。
ある機会にmayumi inouye ( m )は、このレゴン・スマランダナを
プリアタン村にあるグヌン・サリ寺院で、寺院祭(オダラン)の時に
デウィ・スリ楽団と一緒に奉納する事になりました。
月の女神ラティ役は、 m 。相手である愛の神スマラ役は、テリアシ(Teriasih)。
二人とも同じバンジャール・カラーに住む踊り手です。
ラティ役のmは、物語の途中でランダの仮面をつけて、破壊の神シワに変化します。
レゴン・スマランダナは、愛と情熱について描かれたレゴンです。
レゴン・スマランダナの物語
ニラルドラカという魔神が、常々世界を支配したいとチャンスを狙いながら、瞑想をしていました。
シワ神が地上に降りた時、ニラルドラカを見て感銘を受け
彼に特殊な力を与えました。
この力は、シワ神と半獣人神にしか破れないという強さを持っていました。
ニラルドラカは、どんな相手との戦いにも負ける事は無く
地上にも天にも敵がいなくなるまで戦いを続けようとしたため
多くの神々が手こずっていました。
神々は、ヒマラヤ山で瞑想をしているシワ神へ助けを求めに行こうとします。
しかし、瞑想を邪魔をされた時のシワ神の怒りをかうのを恐れ、誰もシワ神へ近づく度胸がありません。
そこで、神々は、シワ神の息子であるスマラ神に助けを求めます。
そこで、スマラ神はシワ神を起こすべく、神々の言うヒマラヤ山へ向かいます。
妻のラティ女神は強く反対しますが、スマラ神は、出発してしまいました。
スマラ神は、なんとかシワ神を瞑想から覚ます事に成功しますが、瞑想を邪魔されて怒りに狂ったシワ神によって焼かれてしまいます。
夫の訃報を聞いた妻のラティ女神は、ただちにヒマラヤ山へ向かい、まだ燃えている火の中に自らの身を投げいれて、夫と運命を共にします。
自分が焼いたのが息子とその妻である事に気が付いたシワ神は、後悔します。
そして、既に燃え尽きてしまった息子とその妻の灰を世界中に撒きます。
この灰によって、世界は愛に満ちたと言われます。
スマラとラティの愛、そしてシワ神の妻パラワティ女神の力によって、半獣人神の子供が誕生し
この半獣人神によって魔神ニラルドラカは退治されます。